スポーツトピックス
ウ女子バレーロシアに完敗。世界の壁に見せ場無し。サオリン初の交代劇も。(H22.11.11)
 10日に代々木競技場で行われた日本とロシアの決戦。両者ともにすでに準決勝進出を決めていたが、この勝負で負ければ準決勝で最強ブラジルとの対戦が決まることもあって、できれば決勝まで当たりたくない相手だけに、この勝負にかける戦略的意味は高い。

 しかし、フタを開けてみれば、セットカウント1-3で完璧すぎるほどの敗北。第4セットに至ってはダブルスコアでの完敗。日本が世界とのレベル差を痛感する完璧な『負け』。これは誰の目にも明らかだった。

 ロシアには明らかな余裕があった。レシーブが乱れても、ネット際ににドーンと大きなトスを上げれば、そのままアタッカーが高い場所から日本のブロックのさらに上から決めてくれる。

 逆に日本は山口の移動攻撃のような『工夫』や、竹下・佐野らによる『ファインプレー』が出ないと得点にならない。

 この両者の戦力差はジワジワと日本の集中力を奪っていった。

 クイックや時間差、ストレートとクロスの打ち分けなどをしなくとも、日本のブロッカーの両手の真ん中に向けて、ドーンと打ち込めばそのパワーで抜ける。

 ファインプレーと工夫が組み合わさらないと得点につながらない日本は精神的にも体力的にも、1セット目で完全に精根尽き果てていた。

 とにかくガモワがスゴイ。バックアタックでも完全にネット際からのアタックと同じ角度と強度で飛んでくるのでは、日本ブロッカー陣もレシーブのプロフェッショナル佐野も打つ手が無かった。

 こうして集中力を欠いた日本の象徴がサオリンだった。真鍋監督は『木村と共に骨を埋める覚悟』で、世界と戦う日本バレーの中核にサオリンを据え、『どんなに調子が悪くとも絶対に変えなかった』のであるが、この日の第4セット、ついに3連続で相手にサーブで狙われてミスを連発した木村沙織を井野と交代。後衛であるローテーション3回の間ベンチに下げた。

 おそらく、真鍋監督の監督人生の中でも最も苦しい選択のひとつだったはずだ。この日のサオリンは序盤から決して悪い状態ではなかった。

 代えられる直前の第3セットでは完全に日本の中心としてチームを支え、この日の試合でも日本の中でダントツで得点を叩き出していたのだ。

 しかし第3セットを取られたロシアにエンジンがかかると、クイックとともにレシーブでは木村の苦手な『バックステップの必要な後方へのレシーブ』で集中砲火してきた。元々身長があるがゆえに、高い角度から打ち下ろすように入ってくるレシーブに木村は完全に押さえ込まれた。

 極度の緊張と悔しさで悪いクセも出だした木村は、レシーブミスを連発。まさにロシアのエース殺しに完全に木村は集中力を切らした。そして、交代。彼女は悔しそうな表情で試合を見つめた。

 これに代わって、ケガでスタメンからも離れている栗原が登場。恐らく第4セットでそれなりの気迫を見せたのは彼女一人だった。竹下も佐野も、なんとか雰囲気を変えようとするものの自身の体力も大きく削られて自分のプレーで精一杯の状況だった。『世界女王』の威圧はそれだけ強いプレッシャーで完全に日本を押さえ込んだのだ。

 この試合で得たものはなんだったのか。そして、足りないものはなんだったのか。もう一度インターバルとなる2日間で体力とともに精神的なものも回復しないと、土曜日のブラジル戦でもまた同じ結果になってしまうだろう。

●Dr.Kの『ロシア戦分析』
(Dr.K 11/11 9:12)
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