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ﾋﾟｮﾝﾔﾝが熱気に包まれた。前節ですでに２次予選進出が決定している日本代表と、逆に予選敗退が決まっている北朝鮮代表の試合は、完全な『消化試合』のために、有効ﾑｰﾄﾞ演出か、とも言われていたが、すでに代表がﾋﾟｮﾝﾔﾝ入りしたときから戦いは始まっていた。
空港で数時間の足どめを食らい、食物や携帯、ﾋﾞﾃﾞｵなども没収、ﾎﾃﾙでの部屋の外への外出禁止、ﾊﾞｽでの移動は遠回りで疲労を誘う。
あらゆるﾌﾟﾚｯｼｬｰをかけてきた北朝鮮は、現在日本とほぼ『国交断絶』状態。すでに北朝鮮が『本気』であると感じ取った日本は、先発ﾒﾝﾊﾞｰ６人をさげた『１．５軍』で試合に臨んだ。
主力選手である本田と長友をケガで欠いているために、実質は８人を入れ替えた、ほぼ全員が１．５軍の構成だ。
国家斉唱からﾌﾞｰｲﾝｸﾞが飛ぶ。ﾌﾘｰｷｯｸでも罵声が飛ぶ。５万人の北朝鮮ｻﾎﾟｰﾀｰと１００人の日本人ｻﾎﾟｰﾀｰ。北朝鮮はﾁｮﾝﾃｾを中心にﾌｨｼﾞｶﾙの強い、反則覚悟のﾌﾟﾚｲで日本代表を追い詰める。一歩間違えば大けがというようなﾌﾟﾚｲがｶﾒﾗや審判の目の外側で行われる。
これが日本やｱﾒﾘｶでの試合なら、ＦＩＦＡは確実に北朝鮮に対して試合停止処分などを行うような内容といっても過言ではなかった。
ｲｴﾛｰを何枚もらっても、絶対に勝つ、という信念が北朝鮮にはあって、それに最終的に日本代表が屈した、という形だ。
試合内容としても、慣れないﾋﾟｯﾁに当然調整不足、さらに１．５軍で、歓声と罵声で指示も通らない状況。金将軍万歳の合唱の中で、消化試合を勝ち切る能力は今の代表には無かった。
まるで格上のﾖｰﾛｯﾊﾟ代表と戦っているような代表の戦いぶりに、これまで無敗だったｻﾞｯｸｼﾞｬﾊﾟﾝはまさかの『北朝鮮相手での初黒星』を喫した。
いつかは無敗伝説は途切れる。それが豪州や韓国でなかったことは、もしかすると良かったのかもしれない。言い訳が可能な状況だったことも良かったのかもしれない。
もし日本が後半から逆転していたら、大けがをさせられたかも知れず、試合後代表のﾊﾞｽに投げつけられた石が、もっと危険なものだったかもしれない。
しかし…勝てる相手に簡単に負けたことは今後の課題として残るだろう。
…ぶっちゃけ、今回は無事に帰ってきた代表にﾎｯとした、ってのがﾎﾝﾈなんだけどね。うん。今年最後の代表の試合としてはなんだか後味悪かったけど。来年の二次予選に期待♪
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