4年に一度のサッカーの祭典。毎年行われるクラブチーム世界一決定戦（旧：トヨタカップ)も確かに見所満載だが、やはりユーロの見ごたえはスゴい。
特に今回のスペインは、バルサとレアルのスター選手の混合チームのようなもので、ポルトガル戦は歯切れの悪い勝ち方ではあったが、決勝戦では圧倒的にゲームを支配して、完全にイタリアを沈黙させた。
試合開始直後こそ、イタリアがポゼッションを高めたものの、それも『持たされている』という感の強いものだった。
ピルロの決定的なパスがするどくスペイン陣内に刺さるも、それだけしかできない、という展開だった。これまでのイタリアはピルロがパスの出しどころがなく、完全に閉塞した状態で試合を展開していたが、今大会では、監督の方針変更もあって、非常に選手の動きがよく、ピルロも選択肢の幅が出て、決定機を何度も作り出す効果的なパスを出していた。
しかし、スペインだけは別格だった。そうそうに矢のようなセンタリングにするどいヘディングで1点。続いて、ディフェンスの裏にするどく抜け出して1対1を作り出して1点。後半に入っても立て続けに2点を取って、完全に試合を決めた。
あきらめない、と粘り強さに定評のあったイタリアのイレブンも、力の差にモチベーション維持すら難しかった。
試合開始早々にケガ人で選手交代。さらに後半には交代したモッタがすぐに肉離れを起こして、レッドカードが出たわけでもないのに選手交代枠を使い果たしていたイタリアは10人での戦い。
選手のケガで苦しむイタリアに対し、逆にスペインのイニエスタやシャビは、（これまでピッチの悪さもあってイマイチ切れ味に欠けていたが、）この試合ではピッチが非常によく、ドリブルもパスもシュートも文句なくキレキレのプレーをやりたい放題の状態。シルバのスピードも生きる。全員がブッフォンに襲い掛かる。
これにはさすがの世界一のキーパーブッフォンも両手を上げるしかなかった。
これで、スペインは前回のユーロ、ワールドカップ、今回のユーロと3連覇。果たしてこのスペインを越えるチームが出てくるのか、期待は次のワールドカップにかかっている。
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