斎藤容疑者は、このﾊﾞｽに主に乗車していた江戸川学園の生徒に強い恨みがあったのではないかと見られていたが、その後の取調べで、それとは一切関係なく、誰でもよかったと供述していることがわかった。
斎藤容疑者は、つい最近勤めていたﾊﾟｰﾄ先を辞めており、事件数日前より自転車で公園などで野宿をしながら生活、駅前の駐輪場にその自転車を置いて、ﾊﾞｽﾀｰﾐﾅﾙまで歩いて移動し、この惨劇におよんだとされている。
逮捕当時、容疑者は所持金も全くなく、所持品はﾊﾞｯｸﾞと文化包丁、果物ﾅｲﾌだけだったという。
痩せ型でひ弱そうな男が突然起こした惨劇に、一瞬周囲はﾊﾟﾆｯｸになったが、勇敢な乗客と、異変を知らせるためにｸﾗｸｼｮﾝを鳴らし続けた運転手の手柄もあって、事件は最小限に食い止められ、14人すべての被害者も軽症で済んだ。
現代を象徴するような事件であるが、動機や理由よりも、その『行為』自体に意味をもたせて、それを現実化しようとする現代人の『心の問題』を深刻にあらわした事件のひとつで、『ゆとり教育』などではなく、そのゆとりの時間を利用して、『ココロの教育』が必要とされている現実教育や社会のあり方への重要な問題提起のようにDr.Kは思う。
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