【長期連載コラム】
『モーニング娘』。を語る
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 このコラムを執筆中のさなか。高橋愛が23年の秋ツアーをもって卒業、というニュースが飛び込んできた。
 10年間という区切りをもって、卒業。この前の亀井とジュンジュン、リンリンの卒業の際にも、つんく♂から、そろそろ卒業のタイミングを考えていこう、という話があったらしい。そして、本人は10年を区切りとして、卒業を決めた。

 今までモーニング娘。の卒業発表からこれを覆したメンバーは一人もいない。中澤あたりから、『卒業撤回もアリだよ』というのがモーニング娘メンバーの口癖になっていたのだが、高橋ももちろん撤回はないだろう。

 同じ10年で言えば、次のリーダーになる新垣も同じ。しかし、ここは当初から高橋よりも新垣に可能性を見出していたつんく♂として、卒業前に新垣の『力』をみたいところなのだろう。

 新たなメンバー4人を育てて、自らは引退する、という高橋にファンからはこれを惜しむ声、これからのモーニングを不安視する声もあるが、もともとつんく♂がモーニングを作った意図、『進化するアイドルグループ』としての命題からそれることの許されないグループとしては、『10年』は特例中の特例。長すぎるといっても過言ではない。逆に10年も在籍したことのほうが奇跡だと考えるべきだ。

 また、後輩のスマイレージがレコ大賞の新人賞をとったことも、高橋卒業を事務所に意識させる原動力ともなっていただろう。

 とにかく、モーニングはここに来て、正念場を迎えることになった。

 おそらくは今年が勝負の年。ここで伸びるかつぶれるかは、DR.Kの個人的な思惑では、道重と田中が握っている。

 道重は、小春の引退時に『圧力』をかけたなどとうわさされていることもあって、これ以降、ブログなどでも一番メンバーの卒業を悲しむ立場とアピールをすることが常になっている。逆に田中はプロらしい、というか、彼女らしいあっさりとしたドライな口調でこれを受け止めているという感じだが、実際のところは熱いのは田中のほうだろう。まずは『モーニング』の使命を優先し、個人的な感情はその裏に回すという姿勢がどうしても一部のファンには違和感を与えているようだが、彼女の中にあるものは、間違いなく熱い。

 この二人の『両輪』が、一時期の加護辻、ゴマキとなっちのような機能を見せれば、モーニング再び、実力だけでなく、人気もAKBと肩を並べるアイドル界の双璧となるはずだ。

 また、アップフロント自体もそろそろ本格的に事務所としての規模を考えていかねばならない時期にあることは確かだ。

 やはりエイベックスやソニーなどに比べると、かなりメディアへの露出や訴求性に難があることは否めない状況で、その手法はともかくとして、まずは事務所としての力をつけること、プロモーション能力を高めることも急課題。

 今年のモーニング娘。は要注目だ!


【つづく】
23/1/10
がんばれ俺……。
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