【連載コラム】中国問題

連載コラム『日本国滅びの美学』6

中国の『仕掛け』に手も足も出ない日本の腰砕け外交の『口実』

すでに周知の事実ながら、今回の尖閣問題で日本側が逮捕した船長とその一味は、いわゆる『一般の漁業やってるオッサンたち』ではない。中国・北朝鮮・韓国などの軍事問題に興味のある人なら、絶対に見覚えのある顔のはずだ。

いわゆる『英雄』で、一度マスコミにも大きく取り上げられた勇敢な連中である。半軍人で今回日本側が提供を嫌がっている衝突場面を撮影した『ビデオ』には、彼らの『勇姿』がしっかりと映りこんでいる。

日本政府はその映像によって、国内世論に一気に火がつくのを恐れている。

北朝鮮の拉致被害者問題が明るみに出て日本国民が『あの国はダメだ』と世論に火がついたあのとき以上に、理性的な国民すら中国に憎悪を募らせる可能性が高い。

挑発的な態度で船を『ぶつけてくる英雄』と、さらに事故によって海に投げ出された日本人をさらに攻撃する様がしっかりと映っているのだ。

もちろん、これが世論に火をつけて、国連でもビデオが公開されれば、中国はもはやこれを『日本が捏造したビデオ』だと主張するしかないだろうし、尖閣の領有権問題も、もはや白黒つけにかからないと引っ込みがつかなくなる。

一方的にコントロール下にあった一部の貧しい不満階級のデモが、一気に日本に飛び火して、日本人が反中感情を一気に高める。世論は腰砕けの政府の背中を押して強硬路線へと外交を誘導する。それが中国を刺激し、今度は一部であった中国貧困層から全体へと反日感情を高めて、両国の緊張状態は一気にヒートアップする。

こうなると原理原則の国である中国は尖閣に巡視船だけではなく、軍隊を常駐させにかかるしかないだろうし、これに対応して自衛隊やアメリカもここに戦闘機や巡洋艦を派遣することにもなってくるだろう。

こうなると、問題になるのは中国に依存している日本企業のおろかさと、日本の経済基盤の脆さが露呈することになる。

日本はあまりにむやみに中国の労働力と市場をアテにしすぎているのである。

もちろん困るのは相手中国も同じだが、向こうには『中国共産党による情報弾圧』という伝家の宝刀がある。先にネをあげるのは日本のほうだろう。

だから私は某ブログでも日本企業における中国進出や資本投下への危険性をずっと主張し続けてきたのだが。

三菱や日産も日本から中国に生産拠点を移動するという計画の下に動いているが、これこそ『売国奴』の行為で、あくまで生産性と経済的メリットだけを重視した『10年先の見えていない』経営である。

これがさらに日本政府の腰砕け外交に『口実』を与えて正当なもののような言い訳をさせているのだ。日本ももはや中国なくして経済活動ができなくなっているということを懸念して、そのために『温和』な外交をしているのだ、という政府の『口実』がイヤでも聞こえてくる。

こんなときこそ中国に媚を売って北京支局を必死で維持している朝日新聞なんかが、都心部と郊外の温度差や中国国民の意識を強く広く粘り強く報道しないといけないのだが、朝日新聞はまたもや中国共産党の顔色ばかり見ていて、これまた腰抜けマスコミであることを露呈している。

南京大虐殺を本気で認めている(形にしている)新聞社が中国の今を報道しなければ、どこが報道するというのだろう。




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